ひらがなカタカナどちらかな?

継承語として

日本語を教えるときに

難しいことの1つに

ひらがなで書くか

カタカナで書くか

の区別です。


これは、

日本で第1言語(母語)として学ぶ

子どもたちはス~っと理解できる内容です。


日本では

小学校1年生国語(上)

つまり

1年生の2学期前半に

学びます。


この頃には小学校生活にも慣れ

日常生活の言葉もたくさん吸収していて

語彙が豊富です。


ですから

生活場面を思い出して

ひらがなで書かれているか

カタカナで書かれているか

区別できます


あとは

子どもなりに

日本語らしい」かどうかの

感覚も生まれています。


りんごと聞くのと

アップルと聞くのとでは

同じものを表しているはずが

頭の中でイメージするものは違いますよね。


りんごは、日本語なので

果物そのものをイメージするでしょう。


アップルは、単体で使って文章を言うことは無いでしょう。

例えば

「今日のおやつはアップルよ。」って

花輪君かスネオか~って突っ込みたくなりませんか?(笑)


アップルは

アップルケーキとか、アップルジュースとか

他の何か(カタカナ語)と合わせて使います。

もしくは今は、パソコンや携帯の会社を連想し

「りんご」とは全くの別物ですよね。


継承語として日本語を学ぶ場合は

こういうニュアンスのちがいを獲得するのが

環境上、とても難しい。。。


ご家庭や継承語学校などで教えられるときには

「ネイティブが学んだような環境にはいない」

という前提をまず認識する必要があります。


これが

子どもに分かりやすく教えるポイント1です。


さて

大人が前提を把握したところで

子どもがす~っと

ひらがな書きかカタカナ書きかを理解してくれるわけでは

残念ながらありませんね。


ここでポイント2を紹介します。

ゴール設定の確認です。

ネイティブなりに書く必要があるのかどうかを

お子さんと」確認なさってください。


子どもさん自身が決めるから

この先の学習を進めるのに

やる気が起きます!


「スイスで育つあなたにとって

ひらがなで書くか

カタカナで書くかの

区別が難しいのは良く分かるよ。」


「でも、頑張ろうね!」では

お家の方のために頑張ること

なってしまいます。。。


あなたはご存じでしたか?

日本語は、

7割ひらがな、3割漢字で書く

スマートだと言われています。※1

(私も日本語教師の資格の勉強で知りました!)



????



あれ?

カタカナは?

と、なりますね。


もちろん「0割」ではないでしょう。

だって、カタカナで書くべき単語がひらがなって

違和感ありますよね^^


でも、割合でいうと

カタカナってそんなものなんです。


では、カタカナは不要でしょうか?

私は必要だと思います。

特に、ヨーロッパ語圏で暮らす子どもさんには

便利です。


最も有利なのは英語圏ですが

日本語にはたくさんのカタカナ言葉があり

多くはヨーロッパから来た言葉ですよね。

これが日本語の面白みであると同時に

子どもたちのモチベーションを挙げるポイントになるんです。

(これは別の機会に綴れたらと思います。)


ポイント2に戻りますが

カタカナが1割未満であれば

「カタカナは書かない。」というのも

1つの選択としてアリだと私は思います。

あ、もちろん、極論を言っています!!

前述した通り、カタカナが有利に働くケースもあります!!


ただ

「どちらで書くかが分からない」で困ったり

日本語嫌いになってしまうのであれば

「ひらがなで書けば良いんだよ❤」

終。


だって、ひらがなでだって理解できるでしょ!!


小学校教員時代の話をここで紹介します。

エピソード①

小学校1年生で教えた子どもたちを

3年生でまた担任することになりました。

クラス替えは毎年あったので

全員が1年生で教えた子たちではありません。


3年生になった子どもたち。

2年生でも関わりがあったのですが

また担任させて頂くのがとっても嬉しい❤

1年生より成長していて

またそれが嬉しいし、可愛い❤❤


ある日、事件が起きました!!

気づいてしまったのです。

カタカナがあやふやで正確に書けない!?


え、1年生のときに教えたのは誰?

「あ、私…」


また別の1年生の担任をされた先生を

責めることはしませんでしたが、、、

漢字テストのときにカタカナテストを

加えることにしました。


漢字テストに1文だけカタカナでの書き取りです。

そしたら

「書けない、書けない。。。」

「カナカナが書けない!!」って

始めは戦々恐々としていましたが

みんなが復習をしたので

ちゃんと書けるようになりました💮


誤解の内容にに書き加えますが

この子どもたちがアホなのではありません!

(関西弁のアホです!)

1年生の担任が悪いのでもありません!!(笑)


日本で暮らす子どもたちでも

カタカナは1年生のときに学んだあと

ほとんどがひらがなと漢字での学習が進むので

(だってカタカナは1割未満だから!)

カタカナを書く機会が無くて、忘れてしまうんです。


エピソード②

小学校4年生の学芸会で

異文化理解の観点から

当時、流行していた韓国ドラマ

「冬のソナタ」の話を劇にすることに。

韓国語で歌を歌うために

歌詞をカタカナで書いてプリントにしたのですが

子どもたちは何度やっても歌えない。。。

そこで、ひらがな書きにしてプリントを配ったところ

子どもたちはスラスラ歌えました!!

※私が関わった学年ですが、

私自身が担任したクラスではありません。


この2つのエピソードからも

カタカナの負担は

日本に住む子どもたちにもあるのが分かります。


だからこそ


カタカナは書けた方が良い(ネイティブに近づける!)けど

書けなくてもそんなに困らないことを

子どもに伝え、選ばせてあげることを

おすすめします。


ポイント3

子どもがカタカナも書きたい!

ネイティブみたいにかっこよく日本語を書けるようになりたい!!

と、ゴール設定を決めたら

日本語を教えましょう。


え!?


逆じゃないですか??

とお思いの方もいらっしゃるかしら。


私たちは

日本語では無いからカタカナだと認識してきました。


継承語として学ぶ子どもさんの環境は

日本語からするとカタカナ語で溢れています。

(もちろん、お住まいの地域によって異なります!)


だからこそ

日本語を教えることで

カタカナで書く言葉と

日本語(ひらがな)を区別するのです。


例えば

テーブルは継承語のお子さんは分かると思います。

でも、「食卓」はいかがですか?


あ、

今時、日本でも食卓なんて言わないよ。。。

と思われた、そこの

あなた!




ハイ!

あなたに、私は言いたい!!





大正解!!!!!





だからこそ、、、

ぜひ調べてください。


食卓は、漢字で「食べる+卓」と書きます。

では「卓」ってどんな意味ですか?

 「高い台」だけでなく「ひときわ高く抜きんでている(場所)」※2

あるいは

「他をぬいて、すぐれている。」※3

そんな尊い場所を表します。


私たちは「頂きます」と食べ物に感謝を込めますが

食事をする場所からも感謝の想いを表しているのかもしれませんね。


これは漢字を調べて作った私なりのストーリーです。

こんな風にお家の方がストーリを話されると

日本文化や日本語も

入りやすいのではないでしょうか。


それだけでなく

漢字も覚えることができます!(^^)!


ここまでしたら、テーブルは日本語では無い

つまり、カタカナで書くと分かってもらえるでしょう。


もちろんいつも調べたり、

お話を創ったりするのは

実用的ではないかもしれません。


どちらで書くかに迷われたとき

日本語はこうだよと伝えられるだけでも

良いと思います。


1)日本語では〇〇と言う。

2)日本語ではない。

3)だからカタカナで書く。

このように伝えられると

良いのではないかなと思います。


ポイント4

これはお子さんが小さいときから

始められた方が良いので

限定的となりますが、、、


なるべく日本語を使って話す。

日本語を話しているつもりでカタカナ語を話している場合はありませんか?

昨今はとくに、日本国内でもカタカナ語が氾濫している

という記事を目にすることがあります。

(日本だけでなく、世界中で英語が浸透しているのは仕方無い面もあるでしょう。)


普段の会話を思い出してください。

「そこのテーブルにあるピンクのプレートをシンクに置いてね。」

1文に4つのカタカナ語があります!

「そこの食卓にある桃色のお皿を水場に置いてね。」

とすると、、、

昭和時代にタイムスリップした感じもしないでもないですが。。。(笑)


カタカナ語を全部日本語にする必要もないでしょう。

「そこのテーブルにあるピンクのお皿をシンクに置いてね。」

令和版はこんな感じでしょうか?


時代によって言葉は変わっていきます。

だから、その時代にあった日本語を話すこともとても大事です。

ただ、今日のテーマはひらがな書き、カタカナ書きなので

敢えて書いています。(だからポイント


かつての日本語は漢字で書かれていたからこそ

漢字学習に入ると分かりやすい

長所もあります。

ピンクー桃色ー桃の色

シンクー水場ー水を使う場所


また、上の例文は英語圏では有利なので

カタカナ語をそのままにしても良いと思います。

(令和版でもOK!)


でも、英語圏でない場合は、、、

第一言語(現地の言葉)と日本語(継承語)の学習の他に

いずれ英語学習も加わります。


その際に和製英語があると

返って英語学習の妨げになるのではないでしょうか。

私は、一応バイリンガルですが、恥ずかしながら

どれが和製英語かまでは分からないです。


また英語と米語(他にも英語は話されていますよね!)のちがいもあります。

以前、米国人が話したことで私には分かったけど

英国出身の友だちには「分からない」という

場面がありました。

確か野球に関する言葉だったと記憶しています。

ピンチヒッターだったかしら。。。

注意:記憶違いの可能性もあります!


私たちが何気につい使ってしまうカタカナ語が

実は日本語だったり、

文化的な背景があって複雑だったりすることを

念頭に置かないと

子どもさんの英語学習に影響するということも

知っておいた方が良いと思います。


そういう意味では

多少(?)古臭くても 時代を感じても

日本語を使う方が

第一言語と日本語に定着に繋がりるのではないでしょうか。


どこに住まれているか

ご家庭での言語環境に左右されるので

ここはお家のご判断になると思います。


ただ、

カタカナ語ではない日本語を話す」メリット

があること。


それを踏まえてお家での会話を意識されると

子どもさんの語学習得があらゆる面で

有利に働くのではないでしょうか。


ぜひ4つのポイントを

日本語学習に役立てて頂けたらと思います。











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